ヒャッハー!帆船(風)で海に出るぜ!
てことでですね、突然ですがこの週末に近所で帆船(風)に乗ってきたので、今週はよこすか散歩トークということで。週報はいつもと変わらないのでお休みです。この船、咸臨丸(かんりんまる) と言いまして、幕末に勝海舟や福沢諭吉などが渡米した日本の軍艦(オランダ製)をモデルにした遊覧船なのですが、この週末限定で浦賀港クルーズをするというのを土曜に知って、しかも予約一切なしの完全先着順 との事なので、そんなら地元の強みで行くしかあるまいと!
11がつ6にち(土)はれ
そもそもなんでそんな、当日にもなってこんな楽しそうなイベントに気付いたかと言うとですね、先週も仕事ばっかで何も書くネタがなかったし、来週人間ドックなのでせめて少しでも健康にしとこうと、片道は電車に乗って浦賀から長めの散歩(寄り道しつつ6kmくらい)でもしようかと思い立ったんですよ。で、電車で浦賀駅に着いたところ、なんと 2つしかないホームの1つに電車を丸1日停めてイベントをする という、なかなか見たことのない豪気な試み中。もしかして今日は浦賀のお祭りか何かなん?、と思って外に出たら駅前にも 「咸臨丸」とか「完売」とか 看板を持って案内してる人がいたんで気になって帰って調べてみたら、予想以上にいろいろやってましたよ。 クルーズや浦賀ドックの見学ツアーは今後しばらくは毎週末やるみたいですが、咸臨丸は本当にこの週末だけだったので気付いてよかった。
でも調べたのは帰ってからなので、その日はまだ帆船が居るなんて思いもせず普通に浦賀の坂と細道だらけの住宅街を彷徨って楽しみましたけどね。
通り道に植物園みたいなのがある事に気づいて 寄ってみたのですが、入ってみれば そこは横須賀、旧陸軍の遺構がひょっこりあったりするから面白い。頑丈そうな壁だなぁ。裏手の建物も火薬庫だったらしいですよ。
11がつ7にち(日) くもり
そして翌日。前日の咸臨丸は午前中には完売してたらしいし、でもそこまでガチ勢が集まるようなイベントでもなかろうと8:30の開門に合わせて行きましたが、まあ並んでたのは30人くらい。咸臨丸クルーズは1回250人なので朝イチなら余裕ですね。すでに完売となっているのは浦賀のレンガドックと千代ケ崎砲台のセットツアーですが、1回20人なので仕方ない。千代ケ崎砲台は行った事あるし、今はもういつでも見学できるらしいので別にいいや。咸臨丸とレンガドックツアーを無事ゲット!
それにしても 咸臨丸クルーズ500円て安くないすか?。そんな値段の遊覧船見た事ないよ。250人でも125000円ですよ?。あの船動かすのに全然割に合ってないような。
さて咸臨丸に乗船。見た目はともかく普通にエンジン付きのイマドキの遊覧船です。帆は一応布っぽい物はついてるみたいだけど飾りとして張ったりできるんだろうか?
で、タラップに注目ですが、「うずしおクルーズ 淡路島」 と書いてますね。かつての咸臨丸は渡米を前に浦賀で大改修をした、という史実もあって浦賀とも縁のある船なのですが、なんとこの咸臨丸、本来は淡路島でうずしおクルーズしている遊覧船なのです。よくまあはるばる遠くからいらっしゃいました。 遊覧船で外洋は大変だろうにと思いますが、普段からうずしおクルーズしてるくらいだし、波には強いのかな?。今年完成したばかりの新造船との事でそらもう綺麗な船でした。
そういや鳴門海峡には 2度 行ってるのに うずしおクルーズには乗った事ないし、次に行ったら乗ってみますか。
浦賀港は普段から遊覧船が運航してる訳じゃなくて、この秋から週末限定で港めぐりクルーズをやっているらしいのですが、今はもう造船所の建物もない浦賀港で何をメインに見て周るのだろうかとは思ってましたが、やはりあまり盛り上がるスポットがある訳ではなかったかな。
というか浦賀湾はとても切り込んだ湾で、見どころは大抵対岸からも見れてしまうので、クルーズでしか見られない景色というのがあまりないんですよね。
写真は浦賀湾の入口にある 江戸時代に作られた古い灯台、燈明堂(レプリカ)。ここは海側から見たのは初めてですね。 むしろ海沿いに建ってるマンションやヨットハーバーがすっごいリゾート感が漂ってていい感じだなぁとか、 船出する岸壁に歴史を感じたりとか、そういう景色が楽しかった。やっぱり造船所の建物が所狭しと建って、建造中の船がひしめき合っていた頃に海から見てみたかったものですね。
そしてクルーズのあとはレンガドック見学ですよ!
明治に作られたドックですが、レンガ造りのドックが現存するのは世界に4つだけ、そのうち2つが浦賀にあるそうです。長らく住友の造船所でしたが 2003 年に閉鎖、その後たまにお祭りなどで公開はされていましたが、今年横須賀市に寄付されて、これから観光地としてどんどん整備していくとのこと。
周囲に建ってた味わい深い工場の建屋やクレーンとかももうほとんどなくなってしまったのですが、やっぱりドックだけでも存在感は絶大ですね。
反対側から見るとこう!。見学ツアーの人が下に居ますがこの大きさよ。長さ180m、深さ11m ありますからね。奥の白い壁が海とを隔てる扉ですが、その向こうは水深11mの海 と思うと結構おっかない。
ちなみにあの扉、どう開くかというと、ドック内を水で満たすと自然に外側にパタンと倒れるそうな。そう開くとは思ってなかった。
見学ツアーに参加すればさらに下まで行けちゃいます。実は5年くらい前にも一度ドック見学ツアーに申し込んだ事があったのですが、その日はものすごい土砂降りで危険なので下まで降りられなかったんですよね。5年越しでやっと下に降りられました。
この周囲を石の壁に囲まれる圧迫感、そして単に前日の雨のせいですが、ところどころ水が溜まってるのがつい昨日にでも使われていたような感じでドキドキする。
中央に置かれてるのは船を置く台ですね。まず入って来る船の大きさに合わせて職人さんが精密に並べたうえで、水を張ってドックに船を入れ、その後ドックの水を抜いてこの上にちょこんと乗せるそうな。まさに職人技。
先端部分。なんかもう、かっこよすぎて震える(ヒドイ語彙)。
ダムといい、こういう器用で優美なアーチを描く巨大建造物はどうしようもなく惹きこまれます。しかも歴史を刻んだレンガ積み。たまらん。ちなみに レンガはフランス積みでした。
ドックから水を抜くポンプ。ゴツイなぁ。
ここも5年前にはまだ建屋があっていい雰囲気だったのですが、もう建屋なくなっちゃって雨ざらしですね。保存して欲しかったなぁとも思いましたが、話によれば 2年前のあの台風 で吹き飛んだらしいので、それならまあ仕方ないか。
てことでなんとなく散歩に行っただけなのに土日すっかり楽しんでしまいました。コロナもなんかよく分からんまま収まってしまったし、またこういうイベントに参加できるようになって嬉しい限りです。はやく仕事をひと段落させて、もっとあちこち行こう。