2日間お世話になった 伊東園ホテル四万 をあとにして、今日もこの近辺のダムを巡りますが、まずは四万温泉街のすぐ近くにひっそりと佇む 四万取水 (しましゅすい) ダム から。1987年 (昭和62) 完成。高さ8m。
高さが低くてダムマップとかにも載ってないので、昨日もすぐ横を通ったのに気付いてませんでしたが、今日通った時に看板で気付きました。四万川ダムのすぐ下流なので、ここもまだ水が驚くほど青い。名前通り、発電所のための取水ダムで、ダム本体よりも横の無骨な取水路にぞぼぞぼ水が流れていくのがカッコいい。
そのあと車を少し走らせれば本日のメインイベント、八ッ場 (やんば) ダム に到着です。2019年 (令和1) 完成予定。高さ116m。
民主党政権の時に突然中止とか言いだして一躍有名になりましたが、それ以前からも反対運動などで揉めにもめたダムで、建設決定から実に50年以上を経てのやっとの完成だそうな。
で、これだけ揉めた経緯もあってか、このダムの経緯や必要性をPRする施設やツアーがたくさん用意されてまして、今回はツアーも参加してきましたよ。といっても以前はヘルメット着用で工事現場内まで入れたのに、今はもう現場内には入れないので展望台からのダム紹介だけなんですけどね。もっと早く気付いておくべきだった。 この写真はダムの裏側です。今の状態はダム本体のコンクリートの打設は完了済で、あとはゲートなどの設備を完成を待つのみ。完成したら水を貯め始めるので、来年にはこの写真の景色のほとんどはダム湖に沈みます。ダムの裏側を底まで見られるのは今だけなので、これは今のうちに見に行くしかないなと。 ダムの装備をアップで。階段やトラックのサイズで分かる通り、とんでもない大きさです。穴の直径で10mくらいはあるよね。
選択取水設備ってのは、この縦長の網のどの高さからでも取水できる設備。ダム湖も水深100mとかある訳で、水深によって水温や濁り方も全然違うので、下流の川にできるだけ影響のない水を選んで下流に流すための取水口ですね。ダムごとにいろんな形をしてて、観察すると結構面白い。 反対側を見れば、ダム湖の上を渡るための大きな橋。左の橋げたには標高が書かれてますが、上の標高 586m がダムの高さ、下の 583m が満水時のダム湖の湖面の高さですね。つまりはこの橋のすぐ下のあたりまで湖面が来ます。ダム湖の橋って水がない状態だと脚がひょろ長すぎてちょっと怖いですね。
ちなみに橋の中央には バンジージャンプの施設 まで。今はまだ水を貯めてないので底からの高さは 106m で、日本一のバンジージャンプらしいですよ。今だけ限定なのか、水を貯めたあともそれなりの高さで続けるのか分かりませんが、どのみちやろうとは思わないですけどね。
その橋からの景色。下にはかつて川原湯温泉の温泉街が広がっていましたが、もうほとんど何も残ってません。ダムの手前に鉄橋が見えるのがかつてのJR吾妻線で、中央右寄りの地面が白いあたりが川原湯温泉駅の跡ですかね。
かなり昔に一度この温泉に泊まりに来た事があるので、こないだその当時の写真を貼りましたが、列車が停まってる写真の背後が今は全部ダムで塞がれてる感じですね。今はJR吾妻線の線路はダムを迂回するように新設されて、この写真の右手の山の中をトンネルで登っています。鉄道で100m近く上昇するってかなり大変よな。 ダムのすぐ手前にある、川の水の迂回水路の入口。上の写真中央の吾妻川は今も普通に流れてるので、この入口からトンネルでダムを迂回して下流に流してたようです。今はもうダム本体の設備で水を通してるようで使われてないみたいですが、一度掘ったトンネルをダムの全水量に耐えられるように塞ぐのも一苦労でしょうね。
さらに左側からも八ッ場ダム。冒頭の右側から見た写真の場所もですが、ダムをいい角度から見られるように、観光客向けの立派な展望台が作られてます。完成後はこちら側に管理事務所や資料館も作られるとの事なので、この展望台もそのまま使われ続けるのかな? 展望台には顔だしパネルがあったけど、顔の意味がなさすぎて笑う。なぜ堤体じゃなくそこから顔を出すよ。あ、でも前にこんなの見た事ある!。ダムドレスだ! 萩原さんといえば当然八ッ場ダムの事も何度も記事にされてて、普通は見られないような写真が山ほど貼られてますので、ダム好きならぜひ見るべき。機会が合うならこういう普段見られない場所に行けるようなイベントにも参加していみたいもんですね。
久々にダムじゃない写真ですが、まだ八ッ場ダム絡みです。
せっかくだから表側からも八ッ場ダムの雄姿を見てみたかったのですが、下流側から近付ける道路はあるものの、民家とかもないのでかなり手前の交差点から一般車両は通行止めになってて、車では近付けません。
八ッ場ダムのすぐ下は 吾妻峡 という景勝地なので今でも徒歩での散策は可能ですが、地図を見たらダムの目の前に 「吾妻峡見晴台」 という展望台がありますね。山道だろうし疲れそうだけど、これは行くしかあるまいと覚悟は決めてたのですが、行ってみたら残念ながら崖崩れで通行止めでしたとさ。まあダムが完成したらもっと気軽に見に行けるようになるだろうし、完成してから来ればいいか。 その吾妻峡にあるプチ名所、JR吾妻線の日本一短いトンネル だそうな。この線路はダムによって付け替えられたので今はもう廃線ですが、このトンネルを見に来る観光客も多いし、将来的に観光トロッコを走らせる計画もあるらしいですよ。
他にも湖畔一帯に桜を植えてたり、今後も見所が増えていきそうなので、何年後かにまた必ず見に来たいですね。
などなど、じっくり時間をかけて八ッ場ダム近辺を見て回りましたが、スタンプラリーでダムカードをもらえるとの事なのでせっかくだから集めましたとも。これとは別に最初のツアーでもバージョン違いのカードをもらえたので2種類ゲット。どちらのカードも完成前なので、バージョンはまだ 1.0 未満です。 スタンプラリーのダムカードはダム湖の上流にある道の駅でもらえますが、その道の駅付近からの眺め。ここにもJR吾妻線の線路跡は分かりやすく残ってますね。
この大きな橋は最初の橋とは別の橋ですが、この橋もダム湖を渡るための橋なので、満水時は橋のすぐ下まで水没します。今までいろいろダムを見てきたけど、ダム湖の底にはこんだけいろんな方々の思い出が詰まってるんだなぁと。
せっかくだから新しい川原湯温泉駅も見にきました。2014年にここで営業開始したらしいのでもう5年経ってるけど、いまだ周囲一帯が工事中で、駅以外には建物もほとんどありません。温泉旅館や公衆浴場はトンネルを1つ越えた隣の集落に集まってるみたいだし、駅の周りはこれから何ができるのかね。次に来るときには応援も兼ねてぜひここの旅館に泊まりたい。 でことで完成間近の八ッ場ダムは堪能できた事だし、最後に川原湯温泉に入って帰りましょう。新しい温泉街のシンボル的な公衆浴場、川原湯温泉 王湯 でございます。露天風呂は林の中かと思ったら思いのほか見晴らしがよくて、なかなか気持ちがいい。
風呂から上がって15時を回りましたが、今帰ると横浜近辺で夕方の渋滞に突撃するので、18時くらいまでは遊んでても大丈夫(そうすれば横須賀は22時頃着)。せっかくだからもう一つダムを巡りましょう。
相俣 (あいまた) ダム。1959年 (昭和34) 完成。高さ67m。 見るからに幅が狭く見えるダムですが、日本屈指の縦長ダムの1つですよ。 どんくらい縦長かというと、こんな!。よくもまあこんな狭い渓谷見つけたもんだよ。
でもこんな縦長でも、縦長ダム番付ではまだ4位 なんですけどね。というか 一昨日の川俣ダムの方が縦長 だったという。川俣ダム本当スゴイ!
縦長のダムはカッコよくて好きなので、他の縦長ダムもぜひ見に行きたいのですが、縦長のダムってどれも地形が険し過ぎて、下流側からダムを見られる場所がない事が多いんですよね。この相俣ダムもそうで、ダムのすぐ下でこの地形のまま直角に曲がるので、正面から見るのはまず不可能。ダム便覧の写真 は関係者でもないと行けない場所ですね。 そしてダム本体はこんな縦長で最低限の大きさなのに、周囲の地形が天然のアースダムになってるのがすごい。本当ダムのためにあるような奇跡の地形。でもこの土手部分、ダム完成時に初めて水を貯めたら漏水がみつかって、急遽コンクリートで補強したらしいですよ。それで解決させて60年何事もなく使えてるのもまたすごいけど。 ダム本体の近くには丸くてキュートな取水塔?が建ってます。上の小屋は使われてるようには見えないけど、横に縦長の網がついてるし、上で説明した選択取水設備なのかな?
相俣ダムのすぐ上流側には 猿ヶ京温泉 という温泉街があるのですが、相俣ダムによって元の温泉街が沈む事になったので、ダム湖を見下ろすこの地に移転したんだそうな。湖の奥に見えてるのが相俣ダムですね。
で、さっき川原湯温泉に入ったばかりですが、まだ時間に余裕はあるし、これからロングドライブする前にリラックスしとこう、とまた日帰り温泉、まんてん星の湯 へ。露天風呂からの景色もこんな感じで開放感ありすぎだし、湯加減が絶妙でダラっと長湯できるので、本当ここ好き!。食事も美味しかったし、今後ここいらを通るなら定番の風呂にしたい!
メシログ 7/25(木)
- 朝食: 伊東園ホテル四万 朝食バイキング
昨日同様バイキング。メニューは昨日とほとんど変わらないけど、選択肢は多いので全然違う組み合わせにはできる。 - 昼食: そば処やんば 舞茸天そば (¥1000) 八ッ場ダムの展望台のすぐ隣にある、観光客ホイホイな感じの蕎麦屋さん。隣にうどん屋もあってどちらか迷ったものの、こっちの方が空いてたし気分的には蕎麦だったのでこちらで。蕎麦も舞茸天も美味しかったけど、舞茸天が結構デカくてちょっと腹に重かった。
- 軽食: 道の駅 八ッ場ふるさと館 きゃべつ鯛焼き (¥200) 道の駅で売ってたご当地メニュー?。要するにお好み焼きなんですが、地元のキャベツみっちりで美味しい。表面に軽くソース塗っただけなので味は薄め。
- 軽食: 道の駅 たくみの里豊楽館 キャベツサイダー (¥300) 八ッ場からはだいぶ離れた場所ですがここもキャベツ推し。こういうイロモノサイダーって大抵は多少それっぽい風味がする程度で、これもまあそんな感じですが。そもそもキャベツってどんな味だっけ?と考えさせられる味。何の味か当ててみろと言われてもまず無理と思う。
- 夕食: 猿ヶ京温泉 まんてん星の湯 赤城どり天丼 (¥880) イチオシはブランド豚、上州麦豚でしたが、ブランド豚って正直あまり違いがよく分からないので、料理自体が珍しくない限りはあまり惹かれないんですよね。赤城どりの方が惹かれたのでそっちで。もちろん美味しいし、揚げ方が上手なのか天丼なのにペロリといただけました。
- 土産: 道の駅 八ッ場ふるさと館 ひもかわうどん (¥540 / 3人前)
群馬県内のお土産屋なら大抵どこでも売ってる一品。3列並んでる1列で1人前かなと思って茹でたけど、茹でるとさらに広がって幅 5cm くらいになるのでちょっとたじろぐ。
で、実際に食べてみると、味はともかく 「ぞぼろぶちゅぶるる(んぶッ)」 と日本人でもドン引きな品のない音がするので食べ方に困る(そもそも冷で啜って食べる物じゃないのかも)。あと道の駅でこれをカレーうどんにして売ってたけど、汁の飛びっぷりはうどんの比じゃないので、食べるのは勇気がいるなと。
旅のきろく 7/26(金) 晴れ
- 走行距離: 350.7km (計828.8km)
- 高速料金: 関越道:月夜野 〜 東名:横浜町田 ¥4360 (特別区間割引:通常¥4420)
(経由:関越道、圏央道、東名) - 高速料金: 横横:狩場 〜 佐原 ¥720 (通常料金)
- 給油: 156 x 21.30L (関越道:上里SA上り)
- 高速料金: 関越道:月夜野 〜 東名:横浜町田 ¥4360 (特別区間割引:通常¥4420)
- 入浴: 川原湯温泉 王湯 ¥500
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露天あり、ロッカー無料、シャンプーあり、ドライヤーあり。
本文に書きたいことは書いちゃったので本文参照。 - 入浴: 猿ヶ京温泉 まんてん星の湯 ¥670
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露天あり、ロッカー無料、シャンプーあり、ドライヤーあり。
本文に書きたいことは書いちゃったので本文参照。ホント開放感あふれる気持ちいい露天風呂だった。