今回販売するまでも、いろいろ調べてみたものの、どうにも正解が分からない事が多いので、これが本当に正解かは分かりませんが、実際に試した結果をいろいろ書き残しておこうと思います。
つーかね。そもそも Google はデベロッパーになにもかも押し付けるたがるくせに、公式ヘルプが全然整理されてなくて何が正解がさっぱり分からんのが悪いんだけどね。ホント勘弁してほしい。
有料アプリ販売までの手順ざっくり
ちょっと調べればもっと親切なページはいくらでもあるので、一つ一つを詳しくは書きませんが、一応、2016/06 現在の、実際に有料アプリの販売までに必要だった手順の流れです。★がついてるのは有料アプリでだけ必要な事。- アプリ作る。
- $25 払って、Google Play Developer に登録。
- Developer Console に正式なアプリID、署名付きの APK をアップロード。
- アプリ公開に最低限必要な画像や説明文などを全て揃える。
- ★ アプリの価格を設定。一度無料にすると二度と有料にできないので注意。
- ★ Developer Console の 設定 > アカウントの詳細 > 販売アカウント から、販売アカウント (ペイメント Merchant Center) のセットアップ。販売者情報の記入。
- ★ Merchant Center に売上金の振込先の銀行口座を登録。
数日以内に Google から口座確認用の小額が振り込まれるので、その額をフォームに回答すると口座情報が確定する。 - ★ Merchant Center に必要に応じて消費税情報を設定。詳しくは後述。
- ★ Developer Console の 設定 > アカウントの詳細 > 住所 に、連絡可能な住所を記入。有料アプリ販売者は必須。なお、メアドや住所はアプリのページに堂々とプレーンテキストで書き出されるので、余裕でボットに収集されます。
バーチャルオフィスの住所は、オフィス側の規約で Web 公開はNGだったり、消費者保護法的にはグレーだったりするので、よく検討しましょう。
- アプリ公開ボタン押す。あとは数時間待てばめでたく公開、販売開始。
開発者が実際の購入処理をテストしたい場合どうするの?
世界に公開して販売する前に、実際に購入されると何がどうなるのか、自分で試しておきたいですよね。まあ別に、記念に1度くらい自腹で購入してみるでもいいんですけど、その3割を Google に持ってかれるのはシャクですよね。なので、自腹を切らずに試験的に自分のアプリを購入する方法なのですが、Developer Console の 設定 > アカウントの詳細 > テスト用のアクセス権がある Gmail アカウント に、購入テストをしたい端末のメインアカウントを登録しておけば、そのアカウントでの購入については実際には課金されなくなります。複数のアカウントを記入したければカンマで区切って入力。 記入後、数分ほどで設定が有効になりますが、以後、登録したアカウントで購入しようとすると、以下のように、テスト購入である事が明記されます。これが出てないと本課金されますので、慎重に確認しながら購入しましょう。 なお、このテスト用アカウントの入力欄なのですが、どうも挙動が怪しくて、変更しても反映されない事がありますので、いつまでもテスト購入の表示が出ない場合は、一度入力欄をクリアして「保存」、そのあと再度入力してもういちど「保存」 すると反映されたりします。
それと、実際に試した事はないのですが、デベロッパー登録したアカウントでは、自分自身のアプリは購入できないはず なので、もし自分の端末でメインで使ってるアカウントでデベロッパー登録してしまうと、自分では購入テストができなくなってしまいます。
そんな場合など、端末のメインアカウント以外で購入テストをしたい場合には、Nexus7 などのマルチユーザー対応の端末があれば、1つの端末で複数の購入アカウントが登録できるので重宝します。
テスト課金と本課金の違い
上記手順でテスト購入すると、購入者には本物っぽい購入明細メールが届くし、Merchant Center にも本物っぽい注文履歴が残るし、「え?これ本当にテスト?ホントに課金されないよね?」 とものすごく不安になります。で、結局、これを放っておくと最終的にどうなるかまでは試せなかったのですが、テスト購入時と正規購入時の違いについて、試して分かった事をまとめておきます。
- テスト購入時は、購入明細のメールや、Merchant Center の注文履歴の商品名が 「テスト:(商品名)」 という表示になる。逆に言うと、それ以外は正規購入時とほぼ何も変わらない。
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正規購入時の Merchant Center のステータスは、まず 購入直後に 「請求可能」、その数時間後には決済されて 「請求済み」 になる。
一方、テスト購入の場合は、購入直後にステータスが 「追加済み」 になり、そのまま変化しない。そのまま締め日まで放置するとどうなるかは未検証だが、少なくとも2日は変化なし。 -
正規購入時は、Google Play の払い戻しルールに基づき、購入後2時間以内にアプリをアンインストールすれば自動的に購入キャンセルと払い戻しが行われるが、テスト購入時も同様で、2時間以内にアンインストールすると購入キャンセル扱いになる。
なので、購入直後に、Android Studio 等で実機でアプリを起動すると、その時点でアンインストール扱いになって購入キャンセルされる ので注意。 -
購入後2時間以上経過すると、正規購入時と同様に、アンインストールしても購入はキャンセルされなくなる。正規購入時は48時間以内に Google に申請すれば払い戻しされるはずだが、テスト購入がどういう扱いになるのかは不明。
Google に申請しなくとも、Merchant Center の注文履歴からデベロッパーの判断で払い戻せる機能があるので、それを使えばキャンセルする事は可能。
その他、課金関連で気づいたこと
- Merchant Center から払い戻しをしても、アプリは 「購入済み」 状態のまま
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今回はテスト購入なのでそれ以上追及しなかったけど、購入済みのステータスは Google に依頼しないと変わらないんですかね?
そもそも、Google の払い戻しルールに 「48時間経過後はデベロッパーと交渉すれば払い戻ししてくれるかも」 とか勝手な事が書かれてるのに、その手続き手順とか、手数料がどうなるかとか、一切説明がないんだもん。まあ、よほどの非がない限りは普通は応じないよなぁ。 - Merchant Center の注文履歴とかの日時が日本時間じゃない
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時差からすると、おそらくアメリカの太平洋時間、なの、かな?(不詳)
てかね、なんで公式ヘルプとかでも一切その事に触れてないし、ネット調べても誰も疑問に思ってないんですかね?。何か重要な設定を見落としてるんじゃないかと不安になる。
もしこれは仕様だとしても、アメリカ時間はサマータイムあるからヤなんだよなぁ。 - 有料アプリ購入時にデベロッパーに渡る顧客情報は、国と郵便番号だけ
- なので、もし顧客と直接やり取りする事になった際には、オーダー番号 (顧客の購入明細メールに書いてある) でしか顧客かどうか照合できない。
- プロモーションコードを使えば、自腹を切らずに自分のアプリを入手可能
- ただし、この場合は Merchant Center は一切無関係なので、アプリを購入するとどうなるのかという検証にならないし、プロモーションコードを使ってしまうと二度と未購入状態に戻せないので、以後そのアカウントで購入やキャンセルの検証が一切できなくなる。
- アルファ/ベータ版でクローズドテストする場合も、有料アプリは正式に購入してもらうしかない
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テスト期間中は無料配布したいという場合は、プロモーションコードを配るか、前述のテスト用アカウントとして登録したうえでテスト購入してもらうかになるが、どちらも正式リリース時に未購入状態にリセットするといった事はできないと思われる。
だったらむしろ、ベータテスト版は製品版とは別のアプリIDの無料アプリとして限定公開した方がよっぽど管理しやすいと思う。
消費税のこと
日本を拠点にして、日本国内に向けて販売するのなら、もちろん消費税の事を考えないといけません。調べてみたところ、下記サイトはかなり頑張って調べてくださってましたが、まあ他にもいろいろ調べてみたものの、結局今も、よく分かんないままみたい。 Google のポリシーとしては、あんたと客の直接取引だから、価格表示や消費税をどうするかはデベロッパーが勝手に決めろ、との事で、要するに今も昔も、正解はないようです。なので例によって、今回実際に自分で試して、分かった事だけ書いときます。- 2016/07現在、Google Play で表示されてる価格 (= Developer Console で設定する価格)は、常に税込み価格 です。何をどう設定を変えても、あの価格に消費税が上乗せされる事はありません。顧客はあの表示額だけを支払います。
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税込みでキリのいい価格で売るか、税抜きの定価は決めといて、それに消費税を乗せた価格で売るかは、デベロッパーの判断で決めます。ストアの価格を見る限りは、ほとんどの人は税込みでキリのいい価格にしてるみたいだけど。
中には消費税設定をしないまま売ってる人もいるようだけど、帳簿どうしてるのやら。 -
【重要】 特に何も設定しなかった場合、消費税は0%になってます。
Merchant Center の 設定 > 消費税 を見てみても、日本に関する記述が一切ないので、日本は特に設定する必要ないのかね?、とか思いがちですが、単に税率が空欄の国は表示されてないってだけです。その他の国と地域 の欄を編集すると日本の税率入力欄も出てくるので、そこに入力すれば注文時に消費税計算されるようになります。
例えば税率が未入力だと、購入明細のメールは以下のような感じでしたが、8%に設定すれば、ちゃんと以下のように消費税額が表示されるようになりました。Chronus Airsoft shooting timer ¥3,900 合計: ¥3,900 (消費税 ¥0 込み)
Chronus Airsoft shooting timer ¥3,900 合計: ¥3,900 (消費税 ¥289 込み)
- 以上の事から分かるように、Google は何もしてくれません。今後消費税が10%に変わる際には、そのタイミングで、デベロッパーが手動で価格や税率を変えないといけません。
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アプリ販売時に Google Play に取られる手数料は、税抜き価格の30% です(2016/07現在)。なので、消費税を0%にしてると、Google の取り分が多くなります。だったらとりあえずでも設定しときたくなりますよね(下世話)。
ちなみに、Google Play の手数料に消費税がかかってるのかというのも、調べるといろんな見解が出てくるのだけど、結局未だに明確な正解はないのか、皆それぞれ税理士さんとかと相談して決めてるんじゃないかと。気持ち悪いなぁ。
可能ですよ。
自分は当時も今も法人化はしていない個人事業主ですが登録できていますし、今も問題なく販売できています。
とはいえ、ここの内容はもう3年も前の話で現状とは違っていますし、自分も最新の情報は分かりませんので、正確なところはもっと最近のページを参考になさった方がよいかと思います。